柚木真里奈の日常( ¨̮ )🌼.*

柚木真里奈のスマイルチャンネル🌻これまでの活動を言語化しております。またここやSNS載せきれない時間はすまいるちゃん🌻柚木のきのきblog https://marina70.hatenablog.com/を覗いてみてね🌈🦄🥰🍵

【社会における美術館の役割ってなんだろう】

社会における美術館の役割

博物館実習を終えて。柚木が学んだこと。

f:id:marina12017007:20191018200228j:image
博物館が果たす使命は、大きく分けて3つある。博物館は資料を元にし、誰もが学ぶ事ができる生涯学習施設でもある。
1収集・保存
2調査・研究
3展示・教育
これら3つの領域は常に連動している事が重要である。この3つは連動していながらも矛盾やジレンマを抱えている。この3つを連動させて、美術館は本物の資料との出会いの機会を来場者に創っている。美術館の最大の強みはモノを持っているということである。

例えば静岡県立美術館では、ロダン館のある美術館やすぐれた日本絵画のある美術館。

元々美術館が所蔵するコレクションが美術館のアイデンティティにも繋がる。

さらに、コレクションは来館者や地域の人の愛着や誇りというものが生まれるのではないかと考える。


美術館の抱えるジレンマの1つに保存と展示のバランスの関係がある。作品を多くの人に観てもらいたい、いつ美術館に来ても作品が観れる状態にしたい、作品の価値や愛着の高まりに繋げるために展示をしたいと考えるとする。

しかし、期間中展示し続けるというのは作品の保存の観点から言うと作品が劣化したり、傷ついてしまったりするリスクが必ず存在する。

今の人にも過去の価値のある作品に観てほしいという考えはもちろん大事である。

 

保存と展示は両方のバランスを考えながら実施していかなければならない。

そこが難しいところだと、、

f:id:marina12017007:20191018200335j:image


私達が今現在作品と向き合う事が可能なのは100年前の人々が大切に保存をしてくれたのではないかと思う。そういった過去から今の積み重ねを考えた時に、今を生きる私達に必要な1つの視点として未来のことである。10年、100年先の、未来の来館者や未来の静岡県民の事を考えたら、彼らにも過去から私達の今に至るまでの事を伝え、引き継いでいく役割も美術館に必要だと思う。また、今を生きる私もだ。

 

(じゃあ、私にできることってなんだろう、、)


作品の本質的な価値を見出す力。

それは、学芸員の日頃からの情報収集や調査・研究等が必要な要素ではないかと思う。

 

また今日はマスコミやメディアなどがパッケージを作り、企画し、全国を巡回する大規模な企画展が実施されている。これは美術館への観客動員数を増やし、事業の採算を合わせなければならない側面もある。また、大都市で開催されている国際展は費用がかかる。その為、他の美術館と割り勘をし、巡回形式をはかっているのだという。

最近では大都市のみでの大規模国際展が実施されている。それは都市と地方の人口問題も関係している。都市と地方では人口の元々の母集団の数も都市に大幅に偏ってしまっており、文化芸術も地域政策のような、都市への一極集中化が進んできてしまっている。来館者や国際展等から言えば、都市と地方の格差が生まれている。他もあるのかも

一方で作品保存の視点からは、作品を移動させるだけでも、リスクが高まってしまうため、限度を超えた移動は控えているという。そのため、今日では圧倒的に国際展の数も減少傾向にある。


何度も大好きな音楽を聞くように、何度も作品に会う事ができる。様々な鑑賞スタイルが求められている。一方で、鑑賞する側の主体的な観に、学びに行くという姿勢をどのように引き出すかも教育の視点からは必要だと考えた。

美術館には資料(ホンモノ)がある。

 

3柚木論
私は社会における美術館の役割として、美術館にはその地域に暮らす人々のアイデンティティや愛着、誇りがあると考える。

実際に実習を行い、現場のリアルな美術館について、知り、学び、さらにこの考えは深まった。


美術館のコレクションは非常に重要な鍵を持っているのではないかと考える。

美術館がコレクションをする価値は、過去と今と未来を繋げる事ができるということであると思う。また、コレクションには必ず作品が身にまとっている歴史やストーリーが存在する。

その歴史やストーリーは時間や空間を超えて、今を生きる私達は生で作品を通じて出会い、対面し、対話する事ができる。

f:id:marina12017007:20191018201046j:image

これは大学の授業でロダン館にてギャラリートーク行う事から学んだ事である。ギャラリートークをきっかけとし、美術館が所有するコレクションにも目がいくようになった。ギャラリートークを実施する前と後でロダンの作品と自分との関係性も変化した。資料が持つ本物の力を体感したのと同時に静岡県立美術館にロダン館がコレクションとして所蔵されていたの事が大変誇りに感じた。今では愛着もある。

 

 

リアスアーク美術館の学芸員の方もお話して下さったなかでも、東日本大地震が起こった時の被災物の話もコレクションの常設展があったからこそ、でなければできなかった事であると思った。

 


知らない世界がまだまだある。

美術館はこれまで知らない世界や興味関心のない世界に出会うきっかけも作られている。人は自分が知らない世界、わからない世界に出逢った時に少しだけ心の豊かさにも繋がるのではないかと思う。自分の世界が少し広がる。興味関心を持った瞬間から、その物事は自分の目に飛び込んでくる。飛び込んできたところから、新たな展開が発生していくのではないかなと考える。

時代と共に変化する、人の価値観や社会環境の中で美術館にできることは何か、求められていることは何か、強みは何かを考え問い続けなければならない。また、そうした時代の変化の中で、美術館の役割も時代と共に変化していくのだと思う。作品もその時代時代に生きる人々の価値観のによって「名作」になっていくのではないかなと考えた。今や誰もが知っている「名作」は時を超えても「名作」であるように、コレクションを収蔵する美術館にも存在するであろう核となる大切にしている部分は変える必要はないと思う。変わらない美術館としての本質を変えない為に変わり続ける必要が、これからの美術館には求められていると考えた。

社会における美術館の役割とは何か。答えは、人それぞれだ。私は役割のひとつとして、美術館が存在する地域のアイデンティティにもなり得ると考える。また、より深く作品を通じて文化芸術に触れることで愛着や誇りにも繋がっていくのではないか。過去を知り、過去から学ぶ。そうして今をこれからをどう生きていくかを考え続ける場所にもなるのではないかと思う。
博物館、美術館は生涯学習の場でもある。人は死ぬまで一生学ぶ。美術部館の作品との出会いは日常に彩りを与えてくれる。

 

 

以上!❣